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木炭で大まかな柄のアタリをしてから「下絵」を完成させます。 手描友禅をするときは草稿になります。 型を彫るときはどのように彫り分けるかを考えて「下絵」に彩色をします。染め上がりを考えながらの作業なので目立たず地味ですがとても重要な作業です。
「素描友禅」とも呼ばれます。 草稿を青花で生地に写しとります。 濃い地色で染める場合は蝋でポン抜きして地色を先に染めます。薄い地色の場合は地色を染めてから柄を描きます。 糸目糊で防染しませんので「絵を描く」ように染めます。 「えごころ」がないと仕上がりに力強さがでません。 「絵が描ける」職人さんが描くと「きもの」が絵画になります。 仕上げに「金泥」や「刺繍」を入れると更に奥行きが出てきます。
「型染」「スクリーン染」「手捺染」とも呼ばれます。 転写した「写真型」や「切り型」を使用します。 型を一定の間隔で送って染めます。 「ポイント」や、「ホシ合わせ」で型がズレないように染めます。 濃い地色を染める場合は「しごき染」や「地型」を使用します。 (柄部分を「総伏せ」して地色を「引染」することもあります。) 「写し糊」と呼ばれる染料糊を使用するため、「蒸し屋」さんとの連携がとても重要です。
手彫りの型を使って、刷毛で生地に摺込むように染めます。 染め滲みが出ないように「染料を付けた刷毛」と「ぼかし刷毛」を上手く使い分けます。 刷毛の重みで摺込む「ぼかし染」は、職人の技の見せどころです。 染める前日には、あらかじめ型に染料をなじませる「カラ摺り」をして、染め始めから終わりまで濃度差がでないよう気を配ります。
手彫りの型を使ってハンドピース(エアブラシ)で染料を吹き付けて染めます。 主に長襦袢や肩裏の加工に用いられます。 型紙が無くてもエンブタ(マスキング)して誂え染にも使用される加工です。 柔らかいぼかし染ができます。
職人さんは枠場の「タイコ」に架けられた生地を回しながら座ったまま染色していきます。 「草稿」を青花で生地に写しとります。 生地に地紋がある場合は、地紋を「彩色」して地色を染めることもあります。 絵羽に染める場合は「下絵羽」をしてから「青花アタリ」します。 特に、合口(仕立てたときの縫い目にかかる部分)の色合わせを注意しながら慎重に染めます。 長襦袢のように染色濃度が薄いときは水を引きながら「アタリ」なしで染めることもあります。
生地を「張木」を使って縦方向に、「伸子」を使って横方向に引っ張った状態で職人さんは刷毛で染めながら移動します。 染色方法としては世界に類をみません。同じ染液でも染める職人さんが違うと同じ濃度にならないほどデリケートな染色です。 生地によって染める前に「湯通し」「揮発水洗」が必要な時もあります。 また、「地入れ」も生地や染め色によって変えます。 「糊伏せ」してある生地を染めるときは染液が差し込まないように特に気を使います。 引染は重ね染をすると色に深みが出ます。
「たきぞめ」とも呼ばれます。 機械を使って生地を染めます。機械の中で蒸気で温められた染料に生地をくぐらせながら染色します。 生地同士が「スレ」無いように、「色ムラ」にならないように注意します。 系浴法で染めるときは毎回、元の色が違うので色合わせが大変です。
色紋付の場合、先に紋伏せして地染めをします。紋糊を落としてから紋の上絵を描きます。 すでに地色が染まっている場合は抜染します。 最近は堅牢度が高い染料に変わりつつあるので地染屋さんに「抜き紋します」と伝えておくのも悉皆屋の役割です。
ボイラーで蒸気を充満させた「蒸し箱」の中に、染色された生地を一定時間入れて蒸します。 写し糊や濃色の引き染は「しめり」と呼ばれる、湿らせたおがくずを生地にまぶします。 抜染蒸しは「地染屋さん」「柄染屋さん」「蒸し屋さんの」連携プレーになります。 生地や染色方法によっても取扱いが微妙に変わるため細心の注意が必要です。 「揮発水洗」「水元」「湯通し」も蒸し屋さんのお仕事です。
「整理屋」さんは「下のし」のほか「仕上げのし」「ガード」「柔軟」「張り上げ」「防縮」「幅だし」「丈だし」などの仕上げ加工を意味することもあります。 生地や加工内容によって「クリップテンター」や「ピンテンター」を使い分けます。
「染色補正」とも呼ばれます。 さまざまな工程を経て出来上がった反物を修正します。「染料飛び」や「染ナン」「汚れ」を直します。 生地の「サシ」や「スレ」「かけつぎ」もします。染色全般の知識が必要な為、「お医者さん」のような染色工程に必要不可欠な存在です。